ライフスタイルを育む
木楽な家の暮らし
ゆとりを感じさせるコンパクトサイズ。
「3年間ほど『木楽な家』の追っかけをしていたん ですよ」と笑うご夫婦。ほかにもいろいろと見て回ったが、二人の感覚にしっくりくるのはやはり尾堂産業の家だった。購入した中古住宅の建て替えを決意し、それまで2階建てだった家を平屋へ。以前は2階部分が夏場とても暑かったこと、子どもたちが独立すればいずれ使わなくなることを考えてのプラン。
ボリューム的には二人暮らしサイズでありながら、ロフトをプラスしたり、動線や使い勝手に配慮したり。家族4人が十分に生活できる工夫があちこちにちりばめている。「友達などが遊びに来ると、『広いね~』と驚かれます」。確かにM邸はコンパクトな外観からは想像できない空間の広がりを感じる。それはあえて低い天井を作ることで吹き抜けをより高く見せる効果や、大きく使える無駄のないスペース配置などで実現したもの。そこへご夫婦のライフスタイルは加わり、M邸が持つ「ゆとり」につながっているのだ。
以前の家とあまりに違う暮らしに、嬉しい驚きです。
住宅街の平屋なので、風通しは期待していませんでした。でも通風も採光も十分。こだわりの素材が作るきれいな空気のおかげなのか、風邪をひかなくなりました。
なんとなく集まりたくなる、居心地の良さ。
キッチンは奥様のリクエストで独立型。リビングから丸見えになるのが嫌という理由なのだが、「でもキッチンに一人は寂しくて(笑)。そこで目隠し戸をつけることを提案したんです」。
リビングとの壁にスライドタイプの引き戸を取り付け、必要に応じて開閉する。引き戸を占めるだけでプライベートを隠せる手軽さで、M邸を訪れた奥様たちにも好評だ。
そんな風に人が集まる機会が増えたリビングには、よく見ると『椅子のように座れる場所』がたくさんある。例えばロフトへの階段。一段だけ踏み板の位置が少し高くなっていて腰をおろしやすい。ウッドデッキへの掃き出し窓にもベンチを設置してある。そこに座って庭を見ると、アジサイの植え込みが。
「まだ小さいけれど、今年もきれいに咲いてくれました」。家の中にいても庭の花や緑が望め、自然の光や風を感じられるM邸には、くつろぎに満ちた豊かな時間が流れている。