想い描いたのは家族が健康に暮らせる
「土壁」の住まい。
現代によみがえる「土壁」を用いた住まいの魅力。
ゆったりとした敷地に建つA邸は、尾堂産業で初めての試みを行った住まいでもある。一見するとわからないが、実は“土壁”を採用しているのだ。しかも古い日本家屋に見られる伝統的手法を用いているのがポイント。
竹を編み、下塗り、中塗り、上塗りを重ね、内壁の仕上げは幻の漆喰で。土壁の家は、当社が数年前から準備を進めてきた新しい提案。南九州の気候風土に合う土づくりから試行錯誤をして、漸くA邸で実現した。
”幻の漆喰”の高い調湿能力や化学物質の吸着・分解の作用は知られているし、実際に住んでいる人も実感している。この空気をキレイにする効果は微生物が活動し、より高い効果を得られるといる。昔の家々には居室と並んで馬屋などがあったが、ほとんど不快な臭いはしなかったとか。それはずばり土壁のおかげ。
ご夫婦は「土壁の家」に理解を示し、「双方がしたいことで、良いと思えることはやってみることにしたんです」とニッコリ。玄関ホールの壁は土壁そのままの素朴な雰囲気を活かし、和室には幻の漆喰と土を練り混ぜたものでやさしい生成り色の壁に仕上げている。
それぞれの実家の山で育てた木も使っているので愛着もひとしおです。
我が家は尾堂産業で第一棟目となる「土壁の家」。新しい試みの住まいが、私たちにどんな心地良さをもたらしてくれるのか楽しみです!
心身がリラックスできる木の家で暮らしたい。
「3年ほど前から見ていた情報誌の中でも、気になっていたのは尾堂産業のページでした」とご主人。他にもハウスメーカーを回ったが、身体と気持ちに馴染むのは、当社の建てた家だった。ご主人にはもともと木の住まいを建てたいという思いも。それが琴線に触れるきっかけになったのかも知れない。さらに担当スタッフと奥様が同郷という縁もあり、「家づくりのことはイチから何でも相談しましたよ(笑)」。最初は住宅に関する知識がほとんどなかったというご夫婦。
当社の家づくりを知るごとに、本当の意味での健康な住まいについて考えるようになったそう。ご主人の「食事をして眠る大事な場所だと改めて感じて、これはないがしろにできないなと。住まいや素材のことを知ったからこそ建てられた家なんです」の言葉が印象に残る。
当社で使う木材といえば“形状記憶木材”だが、A邸では梁や桁、構造材にご夫婦のおじい様や実家の山の木をふんだんに用いているのも特徴。特に奥様の実家から提供された木は、一枚板に加工して子供部屋のデスクやリビングのパソコンテーブルに使われている。また構造材を台持ち継ぎにしたり、柱と母屋のつなぎに込栓を使ったり。木造住宅における古き良き職人の技を、当たり前に見られるのも当社ならでは。
機能性を高めつつ、遊び心も取り入れて。
A邸の大きなテーマは「子供たちが走り回れること」、「一緒にいて楽しい空間になること」。当社での家づくりを考え始めてから、ご主人の頭の中にはかなりはっきりとしたイメージがあった。それは「漆喰壁で木がたくさん見えていて、そこに子供たちがいる」というもの。頭の中の間取りを具現化するには苦労もあったようだが(笑)、リビングからダイレクトに各所にアクセスできる効率的な動線を実現。廊下となる空間も取り込んだため、リビングがゆったりと感じられる。
1階には納戸も設置。手持ちの衣装ダンスも入れられる造りで、居室をすっきりと使うことができる。他にもニーズに応じた造りつけの収納棚があちこちに。勾配天井を生かした小屋裏は9帖ほどの広さを持ち、ライフスタイルやその時々の家族の状況で多目的に利用できるようになっている。子供たちがまだ幼いので、格好の遊び場になりそうだ。通風や採光に長じている窓の配置はもちろん、当社では定番の無双窓を障子風にして空間のアクセントに。