光と風をまとう寛ぎの空間。家族の暮らしを尊重した住まい。
体感して初めて理解する、木の住まいのよさ。
木をふんだんに現わし、まるで森の中にいるような清々しい空気で満たされたS邸。さぞかし木の家への熱意があったのだろうと尋ねてみれば、「最初は大手のハウスメーカーばかり見ていたんです。こんな感じの家は想像していなかった」とご主人。
そんなSさんご夫婦の目線が180度方向転換したのは”木楽な家”の第一棟目であるI邸を見てからだった。「『木楽な家』は、今まで見てきた家とは全然違うので、こんな家もあるんだ…と、最初は戸惑う気持ちも正直ありました(笑)」。
しかし、以前から木の家には興味があり、子どもにもアトピー性の症状が出ることから、うづくり加工をした音響熟成木材や幻の漆喰、カビ・細菌・ダニなどの発生を防ぐ清活畳など、自然素材たっぷりの「木楽な家」のよさに少しずつ理解を深めていったとのこと。「尾堂さんの話術にハマったんです」」と茶化しながらも、家族が健康で気持ち良く過ごせる我が家に大満足の様子.
杉が持つ色と風合いが好きですね。
夜は照明でやわらぎが増していい感じ。リビングダイニングがL字でゾーン分けされているので、個室っぽくてどちらでも落ち着けるんですよ。
オリジナリティあふれるアイテムや空間。
『木楽な家』に惚れ込んでから、Sさんの、『木楽な家』巡りが始まる。実は土地がなかなか見つからず、建てるまでにかなりの期間があったのだ。「いろんな『木楽な家』へ伺って、施主さんたちと話して、自分たちなりのスタイルを探しました」。
家を建てられないもどかしさも、じっくり取捨選択する時間と割り切って楽しんだのだろう。S邸にはこれまでにないユニークなポイントがあるのがその証拠だ。例えば、子ども部屋からロフトへのハシゴ。まだ幼い子供たちに通常のハシゴは危険と考えていたところ、奥様が雑誌で見つけたのが船内で使っているもの。
梯子とはいっても階段状で幅も広く、左右の段差を違えてあるので何より昇り降りしやすい。また、2階には子供部屋と寝室の間を共有スペースとして家族室に。
ここには造り付けのデスクがあり、子どもたちが勉強したり、ご主人がパソコンを使用したりできる。将来、子どもたちが独立したらセカンドリビングとしての使い方もできそう。
開放感のある演出と、自然を感じさせる光と風。
S邸のコンセプトは、寝室になるべく仕切りを設けず、空間をゆったりと見せること。なるほど、1階も2階もほぼワンフロアで使えるように間取りが作られているので、圧迫感がない。ただ和室だけは客間としても使用するので、リビングを通らずとも玄関から直接アクセスできるよう独立させている。
ダイニングは吹き抜けにして高さで、リビングはウッドデッキとその眺望で外への開放感を演出さらに「なるべく自然の光と風が入るように」と、ダイニングをL字型にして、その吹き抜けにある窓も開閉可能に。2階のロフトスペースに風が通るための窓も設けて、家中が光と風であふれる造りになっている。
家族全員が心地よく暮らしながら、将来の変化にも柔軟に対応できるS邸。「この後、新しい家族を迎えに行くんです」とご主人。聞けば子犬のことだとか。自然を感じられるこの住まいなら新しい家族もきっと気に入ってくれるに違いない。