小さく豊かに楽しく暮らす「家事楽ハウス」が誕生
クリーンな空気をつくり健康に過ごせる住宅が基本
幹線道路から少し離れた、静かで便利な立地にある尾堂産業の造成地。ここに現代の家族のライフスタイルをサポートする仕掛けを施したモデルハウスが完成した。ベースとなっているのは同社が長年取り組んでいる健康住宅『木楽な家』。この家は、音響熟成木材や幻の漆喰といった素材にこだわった家づくりが特徴のひとつ。用いる素材それぞれが持つ機能性を生かし、「住み手が健康に暮らし続けられる」ということを大きなテーマにしている。
例えば、音響熟成木材は樹脂成分が多く、虫にも強い宮崎県の飫肥杉を使用。調湿作用や断熱性はもちろん、ワックスや塗料を塗らなくても時間とともに美しい艶が出る。漆喰壁は天然素材のみで作られ、光熱触媒で化学物質を吸着・分解する独自の作用も。畳には保湿・断熱や消臭のパワーがある竹炭をたっぷり使用。これらの素材を用いることにより、半永久的にクリーンな空気が作られるのだ。大切なのは、そういった空気の中で暮らすこと。加えてここでは、徹底的な「家事楽」の提案も。
「働く主婦は時間がない」お母さんをラクにする家
共働きの家庭も多く、とにかく毎日が忙しい。子育てに家事にがんばる女性をなんとかラクにしてあげたい、これが「家事楽」のきっかけ。同モデルハウスはその第一弾だ。とにかくアイデアがあちこちに散りばめられているので、イメージしやすいように、出先から帰宅したお母さんを想定して説明することにしよう。
まずは玄関。帰宅してまずやることと言えば、靴を脱ぐ…の前に郵便物の確認。郵便受けから直接玄関へ届く作りはこれまでもあったが、今回は靴箱内に届く。しかもシュレッダーが設置されており、不要なものはその場で処分。これなら余計なものを室内に持ち込まずにすむので、チラシや封筒を置きっぱなしにしがちなテーブルの上もスッキリと。帰宅直後は洗面台やトイレの使用率が高い。そこで室内の出入り口すぐにトイレを設置。引き戸を開けたままにしておけば、トイレの洗面台を有効活用できる。突然の来客時でも洗面・脱衣室のプライバシーが保たれる仕組み。
コンパクトな生活動線とマイカゴ収納でラク×楽
次は着替えのために主寝室へ。入ってすぐにオープンなクローゼットがあり、そこで着替えを行い、バッグや荷物を片付ける。主寝室からも洗面・脱衣室に行けるので、そのまま洗濯や入浴が可能。この空間で、洗う・干す・収納まで完結できるのもうれしいポイントに。
しかし動線や収納の工夫だけでは補えないものがある。それは片付け。そこで考えたのが、家族全員でお母さんの負担を軽くするシステム。つまり「お手伝い」だ。同社が薦める片付けは誰でもコツを覚えればカンタン。みんなが使うモノは収納場所を決めておく。そこへ一人ずつマイカゴを使って収納するのだ。例えば、洗面・脱衣室にあるお父さんのマイカゴに入っているのは歯ブラシやひげ剃り、整髪料など。使うときにカゴごと出して、使い終わったらカゴごと収納。みんながマイカゴを習慣にすれば、片付けはかなりラクで楽しくなるはず。キッチンやダイニングでのマイカゴ収納も要チェックだ。
ダイニング中心の暮らしでより深い絆をつなぐ家族に
実はこう見えて、同モデルハウスは建坪24坪ほどの小さな家。部屋ごとに使い方や目的を定めず、一部屋を何通りにも使う昔ながらのスタイルに着目し、家事楽とともに「ダイニング」をキーワードにした暮らしの提案も行っている。家族の中心となるのは大きな造作テーブル。食事も宿題もテレビを見るのもすべてダイニング。子育てが終わり、夫婦だけになっても同じテーブルが二人の定位置になる。互いに好きなことをしていても同じ空間で寄り添って時間を過ごす、そんな未来を想像させる。小さくてもゆとりあるライフスタイルの在り方を、ここで改めて体感できるはずだ。
また、同モデルハウスは「認定低炭素住宅」として姶良地区第一号に認定。これは都市の低炭素化、つまり二酸化炭素削減に貢献する家だということ。家全体で使うエネルギーが対象となる改正省エネ基準法(2013年10月1日から施行)にものっとっている。次代の流れに合った住宅とも言える。