木楽な家の原点。



 『木楽な家』は、日本に伝わる昔ながらの技術や素材を用いて、伝統・文化を大切にしながら現代を心地良く暮らす家です。とても日本的なイメージですが、この構想を考えるきっかけとなったのは、アメリカの家づくり。平成11年、「これからは輸入住宅!」と意気込んで、仲間とロサンゼルスへ研修へ行った時のことです。とにかく躯体の造りは雑で、機械を使い、いかに早く合理的に造るかに主眼を置いている事に驚き残念な思いがしました。ところが仕上げの工程では非常にショックを受けたのです。なぜなら、仕上げはすべての職人が入れ替わり、熟練工により100年前のアメリカの伝統文化が脈々と受け継がれたものだったからです。とても素晴らしい仕上がりでした。  
 アメリカで合理的な考えを学ぼうとしたのに、逆に“アメリカは自分たちの文化を大事に守っている国”ということを思い知らされたのです。「はたして、私たちは日本の文化、木の文化、職人の文化を守ってきただろうか?」。疑問は膨らみ、自分の今までの家づくりを顧みるきっかけにもなりました。『木楽な家』の出発点は、アメリカの家づくりにあったのです。